2023.02.17
ウェルビーイングとハピネスとの違い
本サイトでは、ウェルビーイングを「健康」と「幸せ」と「福祉」のすべてを包む概念として捉え、特に「幸せ」という要素を中心に解説しています。
ハピネスは幸せな感情の一部を表し、ウェルビーイングはそれよりも広い意味でのよい状態を表しています。
余談ですが、日本語の「幸せ」は、もともと「仕合わせ」と書きました。
これは「し」と「合わせる」を足した言葉です。
「し」は「する」の連用形です。何かをして何かとめぐり合わせることが語源だったのです。
もともとは、よい仕合わせばかりでなく悪い仕合わせもあるという使われ方をされていたようです。
英語のハッピーとはルーツが異なるのです。
ウェルビーイングと幸福学
ウェルビーイングの研究分野について、私たちは「幸福学」という言葉を使っています。
英語では well-being and happiness study と呼ばれます。
心理学による幸せな状態に関する分析研究のことを幸福学(英語ではsubjectivewell-being)と呼ぶ場合がありますが、私は人々を幸せにする新しいサービスや会社の組織、幸せな教育とは何かも含めて「幸福学」の対象と考えています。
つまり、心理学的な基礎研究から、あらゆる分野で人々のよりよい生き方や働き方に関する研究まで、すべてを含めて「幸福学」ないしはウェルビーイングの学術研究と定義しています。
セリグマン博士が提唱するポジティブ心理学とは
これに近い学問分野に、ポジティブ心理学があります。
うつ病の研究者だったペンシルベニア大学教授のマーティン・セリグマン博士が創設した研究分野です。
うつ病は、もともとネガティブな心の状態になる病ですが、それだけではなく予防医学として、ポジティブな心の状態の人も、よりポジティブになる研究をすべきだということで始めた応用心理学の分野です。
ポジティブな心の状態を高めるということは、ウェルビーイングまたはflorishing(繁栄)の状態、つまり心が華やかで前向きの状態を目指す心理学ということになりますので、幸福学と近い分野といえます。