2023.10.09
新着レポート「幸福度とパフォーマンスの関係性」公開のお知らせ
幸福度とパフォーマンスの関係性について
『ハーバード・ビジネス・レビュー』(ダイヤモンド社)の2012年5月号に、著名な研究結果を集めた「幸福の戦略」という特集が組まれました。
そのなかで、幸福度の高い社員の創造性はそうでない社員の3倍高く、生産性は31%高く、売上も37%高い、とリュボミアスキー氏やディーナー氏らが解説しています。
また、幸福度の高い社員は、そうでない社員よりも欠勤率が41%低く、離職率が59%低く、業務上の事故が70%少ないという研究結果もあります。つまり、幸せな人は創造性も生産性も高く、ミスも少なく休んだり辞めたりもしないということです。
働く人にとって幸福度がいかに大事であるかを理解できると思います。
また、公益財団法人日本生産性本部の作成した資料に、OECD諸国の幸福度と労働生産性の関係を示したグラフがあります。
幸せな国は生産性が高い
横軸に幸福度、縦軸に一時間当たりの労働生産性を取ると、相関係数0・64で中程度の相関を呈する比例関係が認められます。
つまり、幸せな国は生産性が高い傾向があります。
日本や韓国は幸福度が低位にあるので、生産性を上げるためにも幸福度を上げる努力が必要といえるでしょう。
ただし、幸福度の順位は測り方によって異なりますので、この順位が日本の実態かどうかは吟味する必要があると思います。
とはいえ、北欧はどの調査でも高位置を占め、その幸福度は高い傾向があります。
前にも述べましたが、格差が小さい国ほど幸福度は高い傾向があります。なぜなら貧困は幸福度を下げるのに対し、高福祉国家をつくると貧困が改善されるからです。
つまり、多くの国民が中流意識を持つような平等な国は幸福度が高い傾向があります。だから、福祉政策の進んだ北欧は幸福度が高く、生産性も高いのです。