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2023.01.13

困難を乗り越え、成長する人の5つの心掛け「Post Traumatic Grouth(心的外傷後成長)」ゲスト 前野隆司

困難を乗り越え、成長する人の5つの心掛け

 
 

丸の内プラチナ大学「ウェルビーイングライフデザインコース(DAY5)」ゲスト 前野隆司

社会人の学びと社会課題への挑戦の場を提供する「丸の内プラチナ大学」において、前野マドカが講師を務める「ウェルビーイングライフデザインコース(DAY5)」が開催されました。
今回の講座では、夫で慶應義塾大学大学院教授「幸福学者」の前野隆司をゲスト講師に迎え、「Post Traumatic Grouth(心的外傷後成長)」について講義が行われました。
 
この記事では、講義のポイントをお伝えします。
 
 

Post Traumatic Stress Disorder(PTSD、心的外傷後ストレス障害)とは

 
PTSDは、とても怖い思いをした記憶が整理されず、そのことが何度も思い出されて、当時に戻ったように感じ続ける病気です。
 
死の危険に直面したあとに、その体験の記憶が自分の意志とは無関係にフラッシュバックとして思いだされ、
それによって不安や緊張が高まるなど、辛さのあまり現実感がなくなる状態のことを言います。
 
落ち着いて過去をふりかえることができなくなり、必要以上に自分を責めたり、自信を失ったり、周りの人に不信感を向けるなどの症状も現れます。
 
 

Post Traumatic Grouth(PTG、心的外傷後成長)とは

 
危機的な出来事や困難な経験による精神的なもがきの結果生じる、ポジティブな心理的変容の経験を指します。(Calhoun, 2006)
 
また、トラウマとなるような心に傷を負う体験をしたあとに、それを乗り越えて、人間として心が成長することとも表現できます。
 
あるアンケート結果では、大きなトラウマを乗り越えた人が、そうでない人よりも幸せを感じたという回答もありました。
 
トラウマをきっかけにして、心的外傷後ストレス障害になるか、それとも心的外傷後成長になるかは、レジリエンス(柔軟性、適応力、しなやかさ、抵抗力)が強く関わっていると言われています。
 
トラウマは大変つらい出来事ですが、隆司先生は、過去のつらい経験や、自分の弱みは、ポジティブにとらえなおすことが大切だと教えてくださいました。
 
 例)ネガティブ:逆境やつらい経験        → ポジティブ: この経験があるから成長できる
   ネガティブ:細かいことに気がつけない → ポジティブ:集中力が高い
 
人は、トラウマを経験し、そこに意味を見出すことにより、人間的に大きく成長すると言われています。
 
 ・トラウマ体験は自分にとってどのような意味があったのか
 ・トラウマ体験によって自分はどのような影響を受けたのか
 
さまざまな角度で自分に問いかけることが、心的外傷後成長につなげるために重要とされています。
 
逆境や困難な出来事があったとしても、それをきっかけにプラスに変えられたら素晴らしいですね。
いつでも、自分に起きた出来事の意味を考えることを心がけたいです。
 
 

心的外傷後成長をもたらす5領域の心理的変化

困難を乗り越え、成長する人の5つの心掛け

 
 
続いて、辛いことを乗り越えて、心を成長させられる人の5つの心理的な変化の研究結果についてご紹介いただきました。
(post traumatic growth inventory)
 
 
 人生への感謝:
  人生そのものや毎日の生活に対する感謝の気持ちが深まること
 
 新たな可能性:
  新しい目標を見つけたり、新しい人間関係に気づくといった、自分の人生で新たな道筋を見出すようになる変化
 
 スピリチュアルな変容:
  人知を超えるような事柄や神秘的な出来事に対する理解が深まる変化
 
 他者との関係:
  友人や家族など他者とのつながりや関係性に親密感を持つようになり、人の素晴らしさや支えに気づき学ぶようになる変化
 
 人間としての強さ:
  困難さに立ち向かえるようになり、自分の強さについて自覚するようになる変化
 
 
なかでも、「人生のあらゆることへの感謝」が特に重要だと隆司先生はお話されます。
 
人間行動学の世界的権威であるジョン・ディマティーニ博士が開発した自己変革プログラム「ディマティーニ・メソッド」では、人生に起こるすべての出来事は、2つの相対するもので補完的に成り立ち、ニュートラルなものだと伝えています。
 
本来ニュートラルなものに、自分の価値観に「合致する/しない」という評価を加えることで、個人の価値観に色づけされるのです。
 
そして、そのほとんどが、物事の一面に偏った見方や考え方の反映であり、アンバランスな思考であるとディマティーニ博士は伝えています。
 
結果として「好き/嫌い」「良い/悪い」「成功した/失敗した」といったアンバランスな思考に一喜一憂することになり、ストレスや葛藤につながるのです。
 
そのため、自分に起きたあらゆることに感謝してプラスにとらえられる人は、そうでない人よりも恵まれることが多く、より幸せな人生を実現する可能性が高くなるそうです。
 
 

最高な自分のライフデザインを考える

 
今回の講座「ウェルビーイングライフデザインコース」では、自分が大切にしている幸せのKey(感謝、人とのつながり、ありのままでいること など)や、過去に乗り越えた困難な経験を踏まえて、最高な自分のライフデザインを考えていきます。
 
自分がワクワクできる最高な人生をデザインする方法は、またこのレポートで発信していきますので、どうぞ楽しみにしていてください。