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2023.03.18

幸福学の基礎 - 地位財・非地位財と幸せの四つの因子

幸福学と幸せの四つの因子

 

幸福学とは何か

私たちは、ウェルビーイングの研究に対して、「幸福学」という言葉を使っています。

幸福の対象には地位財と非地位財があります。

地位財は長続きしない幸せで、他人と比較できるおカネ、モノ、地位などです。

非地位財は、精神的、身体的、社会的に良好な状態、つまりウェルビーイングです。

 

幸せの四つの因子

心の状態を分析すると、四つの因子が得られました。

私たちの四つの因子は、日本人の分析結果という特徴がありますが、元となるデータは世界中のウェルビーイング研究の結果がベースになっています。

 

幸せの四つの因子1 自己実現と成長

幸せの四つの因子の一つ目は、自己実現と成長です。

セリグマン氏では達成、リフ氏では自己決定力と名付けたものに近いのですが、「やってみよう」因子と名づけました。

やりがいや強みを持ち、主体性の高い人は幸せということを表す因子です。

 

幸せの四つの因子2 ありがとう

二つ目は、セリグマン氏のリレーションシップ、リフ氏のポジティブな他者関係にも通じる、「ありがとう」因子です。

つながりや感謝、あるいは利他性や思いやりを持つことが幸せであることを表します。

 

幸せの四つの因子3 なんとかなる

三つ目は、「なんとかなる」因子です。

前向きかつ楽観的で、何事もなんとかなると思える、ポジティブな人は幸せです。

チャレンジ精神が大事ということです。

 

幸せの四つの因子4 ありのままに

そして最後は「ありのままに」因子です。

独立性と自分らしさを保つこと。

自分を他者と比べすぎず、しっかりとした自分らしさを持っている人は幸せです。

英語でいうとauthenticity。日本語ですと本来感と呼ばれます。

本来の自分らしさを自覚している人は幸せであるという因子です。

 

これはセリグマン氏のPERMAにはありません。

米国は個人主義を基調としている国なので、誰もがありのままに自分らしさを持ち、そのうえで多様性を認め合うことが常識的な社会です。

一方、日本は、同調圧力が強く、「出る杭は打たれる」ということわざ通り、皆と同じようにしていないと白い目で見られる傾向が残っていて、どちらかというと自分らしさを発揮しにくい国です。

そうした環境で暮らす人々は、自己肯定感が低くなりがちです。

 

幸福学から見ると、独立性と自分らしさを持つ米国人には当然のことも、日本でははっきりと幸せの条件に規定しなければならない、というべきかもしれません。

 

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