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2024.06.16

社員の幸せが会社を成長させる 伊那食品工業、西精工、ネッツトヨタ南国の共通点とは

社員の幸せが会社を成長させる

 

ウェルビーイングと社員の幸せが会社を成長させる

幸せ企業を体現している伊那食品工業、西精工、ネッツトヨタ南国の三社の共通点は、社員たちが幸せに仕事をし、会社生活を送っていることです。

人としての成長を目指すことも、会社へ行くのが楽しみであることも、みな家族のように仲がよいことも、すべて幸せの条件です。

その条件は、「やってみよう」因子の一部であるやりがいを持ち、感謝を忘れずに利他が循環する「ありがとう」因子があり、「なんとかなる」因子のチャレンジ精神に満ちて新製品や新たな工夫が次々に生み出され、そして「ありのままに」それぞれの個性が活かされているということなのです。

 

幸せな会社は顧客満足度が高い ネッツトヨタ南国の事例から

ネッツトヨタ南国の顧客満足度グラフを見たときには、本当に驚きました。

ネッツトヨタの全国に広がる代理店の顧客満足度を横軸に、売上を縦軸に示したグラフです。分布は正規分布しますので、散布図を見ると、中心に点が集まり、周りに行くほど少なくなっていくのですが、ネッツトヨタ南国を示す点だけが特異値のように右端にぽつんと一つあったのです。

他社とは顧客満足度の差があまりにも大きく、偏差値50が平均だとすると、ネッツトヨタ南国だけは偏差値80で燦然と輝く一つ星のように飛び抜けていました。

何年間もそういう状態が続いていたので、他社もネッツトヨタ南国に見学に来て真似をするようになり、総じて顧客満足度が高まっているとのことです。

全体として顧客満足度が高まり、それによって他社の偏差値も次第に近づいてきており、業界全体のレベルが上がっていることは喜ばしいことであると横田氏は話してくれました。

しかし、他社はまだ利益を出すためにお客様や社員を幸せにするという発想であるのに対し、ネッツトヨタ南国は利益よりも幸せ、働きがいが第一ということが浸透しており、他社の10年ほど先を行っているように思います。

 

企業経営の事例とウェルビーイング ネッツトヨタ南国 日本一非常識なディーラー

 

人間としての成長重視が差別化戦略

他社が頑張る以上に、こちらも成長を止めることはなく、しかも、人間としての成長を止めないので、独自の差別化戦略を追求できると、語ることのできる会社なのです。

この、人間としての成長というキーワードも三社の共通点です。

伊那食品工業も西精工もネッツトヨタ南国も、いずれの社員も自分はいま以上に成長したいと口にします。

会社の成長ではなく、人間の成長です。人間としての成長は、人の幸せのために大事な要素ですが、三社の社員は成長を目指して、生き生きと働いています。

誤解を恐れず例えるなら、彼ら彼女らの働き方は、学園祭の準備の様子に似ています。学園祭の準備は、もちろん利益が目的ではなく、友だちと徹夜でわいわい楽しみながら頑張れたものです。

みなに一体感があって、なし遂げること自体が目的となっていました。ところが仕事になると、金のため生活のため利益のために、楽しいとは思えずとも仕方なく頑張るとなりがちです。

しかしこの三社の社員は、本当に毎日が学園祭の準備のようなマインドで仕事に取り組んでいます。

いずれも給料のため、利益のために働くのではなく、仲間と共に仕事をすること自体を楽しみ、それぞれに改善や工夫を凝らし、生き生きと働くこと自体を楽しんでいます。

もちろん、学園祭との違いは、実際には会社なので利益を得ることも大切だということなのですが、それが第一優先になっていないばかりか、そうであることを忘れるほど、やりがいやつながりが重視されているということなのです。

もちろん、それを束ねる経営者は、社員をお仕着せのマニュアルやルールで縛りすぎることなく、できるだけ仕事を任せ、社員自身の判断に任せて、働きがいとつながりを持って働くことを心から目指しています。

そういう意味で、この三社は共通しているのです。